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大阪市東成区 森ノ宮・玉造の歯医者 須田歯科のブログ。臨床や臨床を離れた日常生活で見たこと・聞いたこと・感じたことなど・・

2009.04.20 Mon
歯ぐきが生理的あるいは病的に痩せることにより、本来歯ぐきの下にあった根っこが露出し、「歯がしみる」などの、いわゆる知覚過敏をおこすことがあります。そのような場合は、露出した根っこの部分にコンポジットレジン(CR)による充填(=レジン治療)によって改善される場合があります。

わかりやすくするために、下は根っこが大きく露出しているケースの画像ですが、実際にはほとんど歯ぐきが痩せていなくて、根っこが少ししか露出していない事もあります。ケース・バイ・ケースです。
wsd11.jpg
青矢印部分が「エナメル質」。エナメル質は人体で一番硬い部分。ヨロイをまとうようにして歯を守っています。赤矢印部分は根っこの部分の象牙質。本来はこの上にセメント質という層があるのですが、一部もしくは全部が剥離しています。この様な状態を「くさび状欠損」といいます。「くさび状欠損」では、すべてのケースでしみるわけではありませんが、食べかすが詰まるなど、しみる以外の不快症状を伴う場合もあります。くさび状欠損の原因ですが、かみ合わせの応力が集中する部分なので、歯質が剥がれていくのではないかと考えられています。また、誤ったブラッシングでくさび状欠損ができるという説明をよく見ますが、裏付ける明確な論文はありません。臨床的にも、くさび状欠損の窪みの中に歯垢が付着していたり、場合によっては虫歯が出来ているケースもよくありますから、過度のブラッシングや歯磨き粉の使用だけがくさび状欠損を引き起こすことは考えられません。しかし、過度のブラッシングによって歯肉の退縮が起きることは臨床的によく経験することであり、歯肉が退縮するということはその下にある骨も吸収されているわけで、骨の裏打ちの弱くなった歯がより「しなり」やすくなり、歯と歯ぐきの境目の部分が剥がれやすくなることは容易に想像できますから、過度のブラッシングもくさび状欠損に関係はあると考えます。「しなり」に関しては、例えばモノサシを短く持ったり、長く持ったりして実際しならせてみれば簡単に理解できます。骨が減った状態、つまりモノサシを長く持った場合の方がよく「しなり」ますよね。それとかみ合わせが強い状態、つまりモノサシを強く曲げればよく「しなり」ます。

虫歯はありませんので、原則として削らずにコンポジットレジン(CR)を詰めます(仕上げ研磨の時にCRを削ったりすることはあります)。キレイになりました。上の画像の白矢印部分は過去に詰め物をした部分。
wsd12.jpg

しみるなど症状がある場合や、しみないけど気になる場合は、上記のように健康保険適用のごく基本的な治療ですので、受診されることをお勧めします。

ご参考まで。

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