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大阪市東成区 森ノ宮・玉造の歯医者 須田歯科のブログ。臨床や臨床を離れた日常生活で見たこと・聞いたこと・感じたことなど・・

2009.12.09 Wed
健康保険適用の入れ歯は、台座の部分がアクリルレジンというプラスティックの一種であるため、使っているうちにヒビが入ったり、割れてしまうことがあります。粉々になってしまった場合は別として、元に戻せるようなケースでは、修理で対応します。
割れた入れ歯の修理@須田歯科
元の位置に戻した状態で、まずは瞬間接着剤で仮どめします。
割れた入れ歯の修理@須田歯科
瞬間接着剤のついていない台座の裏側を割れた線に沿って貫通しないように注意して削っていきます。そしてこの窪みに台座の元となるアクリルレジンを盛りつけていきます。
割れた入れ歯の修理@須田歯科
固まったら瞬間接着剤側の方もすべて削ってアクリルレジンを盛りつけていきます。固まったら両面とも研磨して咬み合わせ等もチェックして完了です。
割れた入れ歯の修理@須田歯科

以前は入れ歯が割れるのを防止するために、金属の補強線を台座の中に埋め込むことが健康保険で認められていました。しかし骨太の方針で実行されてきた医療費削減のあおりを受けて、認められなくなりました。その結果、補強線を入れていた時に比べて、このように入れ歯が割れるケースが増えたように思います。補強線を入れないで割れにくくするには、台座を厚くする必要がありますが、そうするとしゃべり辛くなったり、違和感が増すことになります。

現場を知らない誰かさん達のせいで、このような事が起きているわけです。

「食べる」ことは命に直結することでもあります。

むやみな医療費の削減や診療報酬の引き下げは、患者さんそのものを不幸にすることになる、という事です。

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2009.01.15 Thu
健康保険の入れ歯の場合、その台の部分(床)に最も一般的に使われるのはアクリル(もしくはアクリリック)レジンという材料です。アクリルレジンは合成樹脂(プラスチック)ですから、長期にわたる耐久性は期待することはできません。口の中という特異な環境で毎日毎日数十㎏の負荷がかかり続けるわけですから、割れない方がおかしいくらいです。どのくらいの期間で割れるかはいろいろな要因が関係してきますので、一概には何とも言えません。新調後、数ヶ月で割れる場合もありますし、当ブログの10年くらい経つと歯はどうなるのか?-健康保険の入れ歯編の記事のように、10年以上割れずに経過する場合もあります。

また、上顎が総入れ歯で下顎に多数の健康な歯が残っているケースでは、特に上の総入れ歯に押し広げられるような負荷がかかりやすく、真ん中から割れる頻度が高くなります。

割れを防止するにはいろいろな方法がありますが、床の真ん中の部分をアクリルレジンの代わりに金属を用いることによって防止できる場合があります。そのような義歯の事を「金属床義歯(メタルプレート)」と言いいます。金属床義歯は健康保険適用ではなく、自費の入れ歯となります。

今回は健康保険の上顎の入れ歯がたびたび割れるので、金属床義歯にしたケースです。80代女性。「この歳になったら食べることしか楽しみがあらへんねん。先生、ええのんで作って!」

かみ合わせの方向から見たところとひっくり返して見たところ。
metalplate1.jpg
metalplate2.jpg
ななめ45°から見たところ。この角度が好きなんですw
metalplate3.jpg
口の中に装着した状態。右下(画面左)には部分入れ歯が入っています。
metalplate4.jpg
少し開けたところ。下顎の真ん中に健康保険の硬質レジン前装冠のブリッジが入っていますが、先端部分が剥げて金属が露出しているのがわかりますか?上の入れ歯に負荷がかかり、たびたび割れてきた事も納得できます。
metalplate6.jpg
少し下から見たところ。天井部分に金属床が見えます。
metalplate5.jpg

金属床はアクリルレジンに比べて薄くできるので、強度や耐久性だけではなく、装着感や発音も改善できます。また、金属は樹脂より熱を伝えやすいので、食べ物の冷たい・熱い、がわかりやすくなり、よりおいしく食事をいただくことができます。当院の金属床義歯に関する解説はこちらをご参考になさって下さい。

食べることにこだわる私としては年齢に関係なく、安心しておいしく食事をしていただきたいです。

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2008.08.21 Thu
健康保険の入れ歯は通常、アクリルレジン(アクリリック・レジン)というプラスチックの一種で作成されます。ケースによって異なりますが、耐用年数はだいたい10年以内、平均的には5年くらいでしょうか?もちろんこれより長い場合もありますし、短い場合もあります。

5年という期間は短いでしょうか?

健康保険の制約内での材料を使用し、負担金が高々1万円までで、体の一部になり、審美(見た目)、発音、咀嚼、嚥下などの役割をはたす物が5年もてば十分ではないでしょうか?同じように身につけるメガネやコンタクトレンズの耐用期間と費用(自費)を考えると決して高いものではないでしょう。

メガネやコンタクトレンズが視力の変化によって度数が合わなくなるのと同様、入れ歯も歯ぐきが痩せる事によって徐々に合わなくなります。この歯ぐきの変化は、病的なもの以外に老化現象の一つとして生理的にもおこります。

したがって入れ歯は新調してから、歯ぐきと接する部分を定期的に合わせる必要があります。合わせないで新調した時のままで使い続けると、歯ぐきが痛くなる、繊維性のものがかみ切りにくくなる、入れ歯かはずれやすくなる、割れる・・・など様々な不具合が出てきます。また、歯ぐき側も病的に痩せていくことがあります。

歯ぐきと接する部分を定期的に合わせることをリライニングもしくはリベースと言い、健康保険の範囲内でできる治療です。入れ歯の歯ぐきと接する部分にリベース用の材料を盛りつけ、口の中に戻します。数分経つと固まるので、不要な部分を削って研磨して終わりです。

この処置を半年~1年に1回程度続けるだけで、何もしなかったときに比べて、入れ歯の寿命が延び、歯ぐきの健康が保たれます。

前置が非常に長くなりましたが、今回は健康保険で作製した入れ歯をリベースすることによって、新調することなく約10年間、問題なく経過しているケースを紹介します。

「歯がグラグラしてかめない。抜いてほしい。」ということで平成10年に来院。上下とも歯が何本か残っていましたが、歯周病がひどく抜くしかない状態。しかし、すぐ抜いてしまうと歯が全くなくなって咬めないので、先に入れ歯を作り、抜くと同時に入れ歯を装着する「即時義歯」という方法を採用。50代男性。

上顎の入れ歯。今年6月、定期検診時の状態。銀色に見えるのは金属の補強線。
d200600.jpg
歯ぐきと接触する面。
d200601.jpg
下顎の入れ歯。
d200602.jpg
歯ぐきと接触する面。
d200603.jpg
上顎の入れ歯。別角度から。人工の歯(白い部分)がすり減っています。
d200604.jpg
同じく下顎の入れ歯。すり減った歯の溝を掘りなおしています。
d200605.jpg
地層のように見えるのが「リベース」するたびに追加された部分。
d200606.jpg
10年経つと歯ぐきもこれくらい痩せるわけです。
d200607.jpg
口の中での状態。
d200608.jpg

10年間、6か月毎の定期検診を欠かさず受けておられます。
その間、上の画像のように、状態に応じてリベースを行っています。
歯ぐき、入れ歯とも問題なく、食事も問題なくできるようです。

入れ歯は「モノ」のように見えますが、一度装着されると、全身の一部となります。
これが無ければ確実に咀嚼、嚥下、審美、発音などの機能は低下し、社会生活や
全身の健康にも影響が出るでしょう。

歯の健康を通じて全身の健康維持・増進に貢献する。
健康保険であろうが自費であろうが入れ歯であろうが天然の歯であろうが同じです。
歯科医療従事者が忘れてはならない使命だと思います。

参考:10年くらい経つと歯はどうなるのか?-メタルボンドの場合

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